東京から新幹線で30分、想像以上に都心に近い小田原市。戦国時代に後北条氏の「城下町」として発展し、江戸時代には東海道屈指の「宿場町」として栄え、明治期には政財界人や文化人たちの「別荘、居住地」として愛されてきた、神奈川県西部に位置する人口約20万人の中心都市です。小田原城やかまぼこ通りなど、観光を目的に一度は訪れたことがある方も多いのではないでしょうか?しかし、このまちの本当のポテンシャルに気付いている人はまだまだ少ないように思います。
小田原市の南西端にある片浦地区の高台からの眺め
海、山、川に囲まれた小田原
多くの先人によって築かれた長い歴史と伝統・文化があることは有名ですが、1年を通して温暖な気候と海・山・川・里といった自然の魅力にも恵まれたとても暮らしやすいまちでもあることを知っていますか?
海から標高1000m近くまで一気に上がる地形は、関東でも湯河原までのこのエリアだけ。写真のように高台からは、家々や段々畑、その先の太平洋から房総半島までが見渡せます。建築家ブルーノ・タウトは、この風光明媚な景色を「東洋のリヴィエラ」と称賛したそう!世界的な現代美術家杉本博司氏によって設立された「小田原文化財団」の「江之浦測候所」も開館し、注目のエリアとしてますます期待が高まりそうです。
トンネルを抜けると、視界に飛び込んでくる碧の景色
ライフスタイルバランスに優れたまち
交通の至便性にとても優れ、小田原駅にはJR東海道本線、JR東海道新幹線、小田急小田原線、箱根登山鉄道、伊豆箱根鉄道大雄山線の5路線が乗り入れていて、市内にはなんと18の鉄道駅があります。また、東京の手前には横浜、湘南、鎌倉があり、隣町には温泉地の箱根。熱海や伊東、伊豆にも1時間以内で行けちゃいます。1時間ほど車を走らせれば富士山も近く、山中湖や河口湖も週末にふらっと遊びに行ける距離感。
歴史と文化、美しく豊かな自然環境、そしてどこにでもアクセス可能な利便性。小田原は、暮らす人・働く人・訪れる人、どの角度から見ても魅力溢れるライフスタイルバランスに優れた稀有なまちなのです。
白秋童謡館
歴史的建造物の利活用プロジェクト
訪れるたびに新しい魅力を発見できるまち。そんな小田原市で、歴史的建造物を民間事業者に利活用いただくことを目指したプロジェクトがはじまります。そのスタートとなるのが「豊島邸(一月庵)」という歴史的建造物。
小田原市が保有する資産を民間事業者に利活用いただくことで、健全なる維持・管理はもちろんのこと、長く丁寧に利活用されていくために必要な要件に向き合うことは事業を進めていくうえで欠かせないポイント。保全だけでなく、積極的に活用することで新たな価値を創出できるよう、前提条件や要件の整理にもしっかりと向き合うことが大切です。その結果、小田原市の魅力を理解し共感した民間事業者が主体となって、行政や市民の方々とともに豊島邸の未来を共創することができると考えています。
そこで今回は事業者を選定する公募の前に、民間事業者が新たな価値を生み出しやすい企画・提案が行えるよう、条件の緩和や要件の整理を目的とした「活用アイデアの募集」を行います。それに合わせて、「現地案内会」を開催します。対象物件となる「豊島邸」を見ていただくことはもちろん、小田原の多様な魅力を感じていただくツアー仕立てにしています。また、地元で活躍されている方を招いたトークセッションも予定しており、その会場は小田原城内にある銅(あかがね)門。ぜひこの機会にご参加ください!
※活用アイデアの募集については下記、小田原市のHPをご覧ください。
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/topix/p25764.html
■現地案内会開催概要
・日時:2018年10月6日(土) 13:30~17:30
※受付時間13:15~13:30
・行程
①豊島邸現地見学会 13:30~14:00
②歴史的建造物エリア見学会 14:15~
③トークセッション(城址公園内銅門) 15:40~
・集合場所:豊島邸(所在地:小田原市栄町4丁目9番44号)
※豊島邸見学後はマイクロバス(一部、徒歩)で移動
・参加料:無料
・定員:30名
・申し込方法:下記、小田原市のHPからお申込みください
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/form/machikou/toshima/
・案内会概要:下記、リンクよりダウンロード可能
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/units/363007/1-20180919164213.pdf
〇内容
・現地見学ツアー:豊島邸ほか
・トークイベント:小田原城址公園内銅門
ゲスト:吉里裕也氏
(株式会社スピーク代表取締役/R不動産株式会社代表取締役)
ゲスト:島田昭彦氏
(株式会社クリップ 代表取締役/京都おもてなし大使)
ゲスト:田代守孝氏
(小田原かまぼこ通り活性化協議会会長/株式会社田代吉右衛門本店代表取締役)
ゲスト:和田真帆氏
(nico cafe)
〇お問い合わせ:小田原市役所 都市部 まちづくり交通課 まちづくり係(田邊・泉・猪俣)
電話番号:0465-33-1754
e-mail:ma-machi@city.odawara.kanagawa.jp
・主催:小田原市
・運営企画:(株)オープン・エー(公共R不動産)
豊島邸について
閑静な住宅街の中でも一際目を引く、瓦葺屋根付き門と黒板塀をめぐらせた佇まい。江戸時代は中新馬場と呼ばれた武家地に位置する豊島邸は、昭和16年の建築で書院風と数寄屋風の意匠を組み合わせた特色ある木造平屋の歴史的建造物です。主屋の南側に自然豊かな庭園があるため前面道路からは建物全景を伺うことはできず、腕木門から玄関へ誘うアプローチが期待を高めてくれます。屋敷構えは武家屋敷風で、庭は和風庭園。寄贈前の所有者は開業医で、週末の別荘として使用していました。
内装の特徴としては、東8畳、中8畳、中6畳は書院風で、特に東8畳と中8畳は天井が3mと高く、二重長押に蟻壁付、竿縁は猿面と江戸時代には上流階級にしか許されなかった造り。対して、玄関および北縁側、便所、洗面所、浴室、西8畳は数寄屋風。化粧天井、笠天井、掛込天井、船底天井など、変化に富んだ凝った造りの天井も見所のひとつです。
また、これだけ特別な世界観を描きながらも小田原駅から徒歩10分圏内にあり、用途地域が近隣商業地域であるということは、利活用の可能性を豊かに広げる大きなポイント。観光エリアとは異なる隠れ家のような雰囲気を持ちながらも利便性の高い立地は、小田原の新しい文化やコンテンツ作りにチャレンジできる場として最適だと思います!
また平成27年3月に小田原市へ寄贈されたことから、今後の有効活用に向け、平成28年3月に、国土交通省所管の「集約促進景観・歴史的風致形成推進事業制度要綱」に定める景観・歴史資源となる建造物に指定しています。
※詳細は下記、小田原市HP内の施設概要をご覧ください。
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/units/362999/1-20180913183220.pdf
趣のある板塀と腕木門
正面玄関に向かうアプローチ
東8畳
中8畳
北縁側
庭園より主屋を望む
今後のスケジュール(予定)
〇活用アイデアの募集
・募集期間:平成30年10月5日(金)~平成30年10月26日(金)
※現地案内会:平成30年10月6日(土)13:30~17:30
・質問受付期間:平成30年10月5日(金)~平成30年10月12日(金)
・質問回答期間:平成30年10月18日(木)頃
〇事業者募集:平成30年12月上旬~平成31年1月上旬
〇審査会:平成31年2月上旬