小さな公園革命第二段!
先日保土ヶ谷公園での取り組みをご紹介したパークキャラバンが、みなとみらいにやってきました。
10月3日と4日の週末、場所は高島水際線公園。今年5月にできた、新しい公園です。
当日は、防災キャンプ、SUP体験、干潟の見学ツアー、防災アイディア会議、お父さん力養成講座など企画が目白押し。
夕方には、係りの方がテントの組み立て方を説明。立ち上がると「わぉー!」とこどもたちから歓声があがりました。
家族みんなで力を合わせてテント設営した後は、防災米でカレーを。
きらめく高層ビルと水面に囲まれて並び立つテント。
それははじめて見る、可能性に満ちた風景でした。
みんなで連携
今回の実施に当たり、主催のNPO法人ハマのトウダイ代表の岡部さんは、まず愛護会会長の坪倉さんに打診。(愛護会については前回記事を参照)この坪倉さんがまた最高にかっこいい。
「どうせ何かやるなら規制に逆らうぐらいが面白いじゃない。私が責任取るから、確信犯でやろう」と二つ返事で引き受けてくださったそう。
そこから付近でSUPと水辺のまちづくりをされている水辺荘、同じく愛護会のハマの海を想う会(以下ハマ海会)を巻き込み、今回の企画を市に持ち込み。愛護会がバックなら、と市もスムーズにOK、費用面についてはスノーピークの資材の提供と、みなとみらいの企業が会員となる社団法人(社団法人横浜みなとみらい21)からの助成を受けて、開催となりました。
大きな公園じゃなくて、小さな公園でやることに意味がある。
公園でイベントや社会実験、というと、駅前広場や大きな公園がフィーチャーされがち。
でも普段市民が行くのは、近所の小さな児童公園だったりしますよね。
そんな身近にある小さな公園の風景を、一日だけ変えてみる。
そこに大きな意義があると、岡部さんは言います。
身近だからこそ、変わることにインパクトがある。生まれたつながりも、ご近所だから深めていける。
小さな公園にこそ、大きな可能性があると、強く感じました。
市民が自主的に負う「自己責任」
今回お話を伺ってよく出てきたのは「自己責任」という言葉。
たとえば、高島水際線公園には、「潮入の池」という干潟のエリアがあります。横浜駅の目の前にありながら、ゴカイ・ボラ・ハゼ・エビやカニなど、沢山の生き物が生息していて、今回のパークキャラバンでも見学ツアーが行われました。干潟の自然に身近に触れ合えるようにと整備されたものの、背の高い水草が茂り、干潮時と満潮時では水位もまったく違う「潮入りの池」は、「危ない」と、周囲に柵が張り巡らされ、普段は施錠されています。
今は2月に1回、ハマ海会が企画を行うときだけ、その立会いのもと鍵を開けることができます。
ハマ海会会長の吉野さんいわく「何かあったら自己責任、事故にあっても文句は言わない。まず危険を知った上で、楽しみ方を伝えている」。
行政の視点で考えると、「どんな人が使っても、問題が起こらない」というのがゴールになってしまい、結果「誰も使えない」が一番安全、という結論になってしまいがち。いろんな人がいる以上、それはある意味やむをえないこと。でも、実際に使う市民の側が「自己責任」と腹をくくったなら、できることはもっとある。そして、「自己責任」という言葉は、それを行政が押し付けることはできない、市民という当事者しか使えない言葉なんですよね。
自己責任、と思える市民が増えたら、公共空間はもっと柔軟に、可能性を広げられるんじゃないか。そしてそういう市民は実は結構いるんじゃないかと、公園に集まった皆さんを見て思いました。
次回は11月7日@ポートサイド公園
大好評のパークキャラバンは既に次回開催も決定済み。今度はお向かいのポートサイド公園で11月7日(土)に行われます。乞うご期待!