トンネルも使えるの?
浜松市に面白い活用事例を見つけました。
旧国鉄が建設計画をしていましたが、政策の変更により開業に至らなかった幻の鉄道、「佐久間線」の着工跡地であるトンネルを国鉄が浜松市(旧天竜区)へ無償譲渡、管理をしていたものを、民間がワインセラーとして活用しているというもの。
その名も「浜松ワインセラー」。
凄くストレートな名称、いいですね。
大学で酒類学を専攻していた僕としては、お酒が絡んでくるだけでワクワクしてしまうのですが、建物それ自体も魅力的。
鮮やかな緑に囲まれたエントランス、トンネル内の苔むした壁面、人工物が自然に飲み込まれていく様には、何か引き込まれるものがありますよね。
そんな場所を、時を経るごとに深みを増していくワインの寝床にする。
積極的かつ退廃的、相反するイメージを併せ持った、なんてロマンチックな使い方だろうと、個人的には思うわけです。
また、トンネルというものはその性質上、年間を通じ内部温度17度、湿度70~80%とワインの貯蔵に極めて優れた側面を持っており、実用性の高さも折り紙付き。
しかもその環境が一切の操作をすることなく得られるので、管理コストも低く、リーズナブルな価格で預け入れが可能。全国からワインの愛好家たちがこぞって足を運ぶスポットとなりつつあります。
そんな浜松ワインセラーですが、一般の方にも嬉しいサービスがありまして。
フランス、イタリアをはじめ、ニューワールドのスペイン、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、アメリカから運営団体がセレクト、輸入した全銘柄約140種類のワインを購入することが可能。もちろん試飲もできます。
まだあるトンネル
なお、旧国鉄清算事業団から無償譲渡を受けたトンネルは、ワインセラーとして利用されている相津(そうづ)トンネルの他に、同天竜区の山王トンネル、白山トンネルがあり、当該運営団体では、これらのトンネルも有効活用ができないかと、別の利用方法も検討しているとのこと。
プロジェクトの今後が非常に楽しみな、要チェック事例です。