公共R不動産のプロジェクトスタディ
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学校まるごとアートセンター
3331 Arts Chiyoda

隣の公園がまるで校庭のよう

アートをまちの中心に

既にテナント募集の記事でも紹介した「アーツ千代田3331」。ここでは、改めてこの施設がどのように運営されているかを紹介。
ここアーツ千代田3331は、旧千代田区立練成中学校を利用したアートセンター。地下1階、地上3階の建物に、ギャラリー、オフィス、カフェなどが入居しています。アーツ千代田3331では地域にアートシーンをつくっていくとともに、施設を街に開くことにも積極的。隣の公園と1階のカフェ、フリースペースがつながり、まるで一つの大きな空間のよう。盆踊りなどの行事も行われていて、この場所が街の人とつながる機能も果たしています。

学校まるごと民間が借り上げる新たなモデル

施設の改修や運営は、千代田区が行った公募により選定された運営団体、有限責任会社コマンドAが行っています。千代田区からコマンドAが学校をまるごと借り受けて、それをテナントに賃貸しながら、ギャラリーやイベントスペースを自主運営しています。余った学校の施設運営を行政が民間に一括委託したという珍しい事例です。コマンドAは、1998年から続けてきたアーティストによる組織コマンドNを母体に、建築・都市プロデューサーの清水義次さんがマネジメントに参画して組成されています。アーティスト自身の手によって運営が行われているのが特徴。現在、コマンドNは一般社団法人化し、新しい芸術表現を追求し続け、一方コマンドAは有限責任会社としてマネジメントを行っています。それぞれの特性を生かした形で役割分担することで、表現と運営を両立させ、活動の自律性を維持しているんです。

この施設がある千代田区外神田エリアは、少しづつアート、クリエイティブに携わる人が集まり始めています。1つの学校のリノベーションが、この街の景色もアートシーンも動かしています。

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公共R不動産の本のご紹介

クリエイティブな公共発注のための『公募要項作成ガイドブック』

公共R不動産のウェブ連載『クリエイティブな公共発注を考えてみた by PPP妄想研究会』から、初のスピンオフ企画として制作された『公募要項作成ガイドブック』。その名の通り、遊休公共施設を活用するために、どんな発注をすればよいのか?公募要項の例文とともに、そのベースとなる考え方と、ポイント解説を盛り込みました。
自治体の皆さんには、このガイドブックを参照しながら公募要項を作成していただければ、日本中のどんなまちの遊休施設でも、おもしろい活用に向けての第一歩が踏み出せるはず!という期待のもと、妄想研究会メンバーもわくわくしながらこのガイドブックを世の中に送り出します。ぜひぜひ、ご活用ください!

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