公共R不動産の本
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出版!『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』

fdafsadas

まちづくりの次の概念を提示した書籍『エリアリノベーション』から1年半、東京R不動産のディレクター馬場正尊が、衰退の先の新しい風景を求め、海外へ旅に出ました。そこで出会ったのは悲しい風景ではなく、楽しくクリエイティブに社会システムをデザインする姿。そんなポジティブに衰退と向き合う街を取材し、その方法論をまとめた書籍を出版します。

海外のエリアリノベーションを探して

昨年、『エリアリノベーション 変化の構造とローカライズ』という本で、まちづくりの次の概念を提示してみた。行政や既存の団体に頼らず、クリエイターたちが中心となって、新しい方法でカッコよく、そして継続的に変化を起こしている日本の街を取材し、変化の構造を分析した。

そこでは不動産、建築、グラフィック、メディアの横断的なつながりがポイントであることなど、様々なことが見えてきた。

「エリアリノベーション」という言葉は、この1年でちょっとずつ定着してきたように思う。それは単体の建物ではなくて、複数の小さな変化がつながって、面的な変化になることを表している。

『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』は、その続編。文字通り海外の街に新たな発見を求めた本だ。

アルベルゴ・ディフーゾ:丘陵地に佇む集落「ピチニスコ」(イタリア)

突き抜けたクリエイティブはローカルで

この本を編集する中で確信を持ったのは、ローカルにこそ突き抜けたクリエイティブが生まれているということだ。ひたすら成長を追いかけた近代では決して生まれない発想と方法が、衰退の先に見えてきた。

人口減少、消滅可能性都市……、ネガティブなイメージの単語をよく耳にするけど、それはただの現象でしかない。それらを逆手にとって、逆転の発想で変化を楽しんでいる街がたくさんあった。衰退は必ずしも悲しいことではない。

この本では、何らかの要因で衰退し、新しい方法で再生した街をレポートしている。いや再生という言葉は適切ではないかもしれない。衰退によって創造を遂げたのだ。

例えば、自動車産業の衰退とともに破綻したデトロイトでは「創造的縮小のフレームワーク」という政策で、荒れ果てた住宅地を、都市農業によって再生しようとしていた。

地震によってダメージを受けたイタリアの集落では「アルベルゴ・ディフーゾ(分散型の宿)」と呼ばれる手法が発明されていた。点在する空き家を宿に機能転換し、ネットワークすることで街全体を宿泊施設のように捉えたプログラムで、イタリアはそのための法整備も行っている。

エリア再生というスタートアップ:都市の空き地に展開する「リカバリー・パーク」(アメリカ・デトロイト)

ベルリンの壁崩壊により人口が一気に西側に流れた旧東ドイツでは、空き地をアーティストたちがスクウォッタリング(不法占拠)することをきっかけに、そこをオフィシャルな「アーバンガーデン」に変えていくムーブメントが起こっていた。クラフトビールや自転車修理などの工房が軒を連ねる不思議な公園は、今では地域コミュニティの中心となっている。

チリの建築家アラヴェナは、新たなソーシャルハウジングのあり方を示した。住宅のインフラ部分だけを行政が供給し、残りは居住者たちがつくりながら住むシステムをデザインすることにより、工作的で創造性に溢れた居住の風景を生み出している。

書き出すとキリがないので詳細は本を見てほしいけれど、これらに共通しているのは、新しい社会システムのデザインによって、次の街の風景を形成していることだ。

アーバンガーデン:ローカルエコノミーを実践する「プリンセスガーデン」(ドイツ・ライプツィヒ)

この本では、現地で活動する建築家や研究者を著者に迎え、取材するとともにその方法論をダイアグラム化している。もちろん日本においてもヒントになることがたくさんあるはずだ。


建築家の社会構築的アプローチ、アラヴェナが設計した「ソーシャルハウジング」(チリ)

『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』

編著:馬場正尊、 中江 研、 加藤優一
著者:中橋 恵、 菊地マリエ、 大谷 悠、 ミンクス典子、‎ 阿部大輔、 漆原 弘、‎ 山道拓人
出版社:学芸出版社
総頁:256頁
判型:四六判 
定価:本体2,200円+税
ISBN:ISBN978-4-7615-2666-5
発売日:2017年12月10日
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出版記念トークイベント

<東京>
『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』刊行記念トークイベント

日時:2017年12月1日(金) 19:00~21:00(18:45開場)
出演:馬場正尊(東京R不動産)、山道拓人(ツバメアーキテクツ)、菊地マリエ(公共R不動産)、加藤優一(Open A)
会場:二子玉川 蔦屋家電 2F ダイニング
住所:東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット(地図
参加方法:店頭、またはイベントHPにて書籍『CREATIVE LOCAL 』をお求めください(電話での予約も可)
イベント情報ページ(二子玉川 蔦屋家電)

<大阪>
『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』刊行記念トーク

日時:2018年1月19日(金)  19:30~21:30(開場18:45)
出演:馬場正尊(東京R不動産)、中橋 恵(日伊間文化コーディネーター)、 大谷 悠(NPOライプツィヒ「日本の家」共同代表)、 中江 研(神戸大学大学院准教授)、阿部大輔(龍谷大学政策学部准教授)
会場:スタンダードブックストア 心斎橋 BFカフェ
住所:大阪府大阪市中央区西心斎橋2-2-12 クリスタグランドビル(MAP
参加方法:メール、電話、または店頭にて、以下のいずれかをお求めください
・イベントチケット 1,500円
・イベントチケット 1,000円+書籍『CREATIVE LOCAL 』 2,376円
※全て税込み金額(1ドリンク付き)
イベント情報ページ(スタンダードブックストア)

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公共R不動産の本のご紹介

クリエイティブな公共発注のための『公募要項作成ガイドブック』

公共R不動産のウェブ連載『クリエイティブな公共発注を考えてみた by PPP妄想研究会』から、初のスピンオフ企画として制作された『公募要項作成ガイドブック』。その名の通り、遊休公共施設を活用するために、どんな発注をすればよいのか?公募要項の例文とともに、そのベースとなる考え方と、ポイント解説を盛り込みました。
自治体の皆さんには、このガイドブックを参照しながら公募要項を作成していただければ、日本中のどんなまちの遊休施設でも、おもしろい活用に向けての第一歩が踏み出せるはず!という期待のもと、妄想研究会メンバーもわくわくしながらこのガイドブックを世の中に送り出します。ぜひぜひ、ご活用ください!

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