≫オンライン開催決定! 9/25(金)『第3回 公共空間 逆プロポーザルonline』
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日本のモノ、コト、ヒトを応援し、全国、世界へと発信する
日本のセレクトショップの草分け的存在である「BEAMS」。1976年の創業以来、「日本の若者の風俗・文化を変えよう、その旗頭になろう」と日本のファッションやカルチャーシーンを牽引し続けています。
そんなBEAMSの40年の節目に立ち上がったのが、「BEAMS ”TEAM JAPAN” プロジェクト」。BEAMSの目で日本を見つめ直し、伝統からサブカルチャーまで日本の魅力を全国、世界へと発信するプロジェクトです。
あえて「TEAM (チーム)」と名乗られているのは、「日本全国で魅力的な活動をする人や事業者がいる中で、それらが点ではなく束となり、BEAMS JAPANもその一員となって日本を盛り上げていきたい」と、そんな思いが込められているといいます。
2016年4月には、BEAMS “TEAM JAPAN” プロジェクトの発信拠点として新宿にBEAMS JAPANの店舗がオープン。匠の技が光る民芸品から日本独自のポップカルチャー、アートまで、日本の魅力が凝縮されたミュージアムのようなショップで、さまざまな情報が日々発信されています。
BEAMS JAPANは、これまで全国各地の企業やメーカーなどと、さまざまなテーマでコラボレーションを繰り広げてきました。
例えば、焼酎の「いいちこ」で知られる大分県の三和酒類株式会社とのプロジェクトでは、BEAMS JAPAN新宿店にちなんだオリジナルのカップ酒のラベルを制作し、店頭には試飲スペースを設けてカクテルを提供するなど、若年層に向けた新しい焼酎の楽しみ方の発信に取り組みました。
また、「牛乳石鹼(共進社株式会社)」とは「銭湯のススメ。」と題した企画を実施。近年減少を続けている銭湯ですが、日本の古き良き公共インフラとしての「銭湯文化」に改めて着目し、銭湯の楽しみ方を提案するイベント実施や情報誌の発行、オリジナルグッズの開発を通じたリブランディングにより、新たな顧客層の取り込みやファン増加につなげました。
全国の店舗が各地にローカライズ。
BEAMSスタッフによる、全国ガイドブックシリーズ
グループ全体でいまや約170店舗をかまえるBEAMS。全国に散らばるネットワークを生かし、2019年にはそれぞれの都市で生活するBEAMSスタッフがその都市の魅力を紹介していく「BEAMS EYE ON」シティガイドが誕生しました。
BEAMSのスタッフたちが通う店やおすすめするスポット、ディープなローカルネタなど、実用的であり読み物としても楽しめるBEAMSならではの目線が光るシティガイド。
日本全国のスタッフたちが地域の魅力を見出し、その視点を集めて編集して発信していくという、BEAMS JAPANの哲学に通ずるプロジェクトです。
「全国の店舗スタッフには、販売業務だけでなく、独自の視点で地域のプロデュースを仕掛けていくことに興味ややりがいを持つスタッフもいます。地域に根付いて、地元の人や企業と人脈を築き、その繋がりからBEAMS JAPANのプロジェクトが始まったこともありました。
新しい自治体とご縁があったとき、その近隣エリアにはBEAMSの店舗があり、地域に根付いた店舗スタッフがいる。そこにはすでにネットワークが存在していることもBEAMS JAPANの強みになっています」
多様なテーマと手法で、自治体のニーズに対応していく
このように全国に店舗を展開し、さらには各地を飛び回るバイヤーなど多彩なネットワークを持つBEAMS JAPAN。企業だけでなく、多くの自治体ともコラボレーションを重ねてきました。
例えば、三重県伊勢市とは、コラボレーションイベント「BEAMS EYE on ISE」を実施。メイドイン伊勢の商品を通じて伊勢の魅力を広く知ってもらいたいと、伊勢市からお土産開発の依頼が舞い込み、産業振興と観光PRの2つの視点から取り組みが展開されていきました。
市と共同で公募した市内の19の事業者と一緒に新しいお土産品を開発したほか、BEAMS JAPANの店舗では神社をモチーフにした空間を演出し、セレクトした産品と並べて販売しました。
また、伊勢のモノの背景にあるストーリーや歴史、地域の暮らしや⽂化を伝えるフリーペーパーを配布したり、BEAMS JAPANの店舗でトークショーを行うなど、伊勢の魅力を多角的に発信していきました。
「このプロジェクトを通じて嬉しかったのは、かつては各々活動していた地域の事業者さん同士が自発的に連携し、新しいお土産が生まれたこと。市の方にもとても喜んでいただけました。
今回の『公共空間 逆プロポーザル』を通じて何かプロジェクトに取り組む際も、BEAMS JAPANが媒介となって地域の事業者同士がつながり、新しいビジネスが生まれるきっかけ作りができたらと思っています」
そのほか、神戸市、別府市、名古屋市、香川県、福島県、山梨県など、単発でのポップアップイベントから数年にわたる継続的なプロジェクトまで、これまで17の自治体と協働を果たしてきました。それらを振り返り佐野さんはこう話します。
「商品開発をする際は、複数の地元企業と関わっていくことが多く、そのとりまとめや調整を行政の方が行ってくださり、僕たちはクリエイティブに集中するという役割分担をしています。
これまでスムーズにプロジェクトができてきたのは、自治体のみなさまがBEAMSをよく理解して信頼してくださっているから。いつも二人三脚のスタイルで、とてもやりやすく感じています」
「公共空間 逆プロポーザル」にむけて。
背景にストーリーがある地域と取り組みたい
最後に『公共空間 逆プロポーザル』に向けて、連携を希望する自治体や公共空間の条件をうかがいました。
「BEAMS JAPANでは、その地域や空間、モノの背景にあるストーリーを常に大切にしています。そこに僕らならではの視点を添えて発信し、コミュニティへ発展させていけたらと思っています。
テーマや手法は、さまざまな組み合わせが可能です。例えば、遊休空間を活用してBEAMSの世界観で新しいお土産ショップをつくり、自社で運営することができるかもしれません。そこは地元企業と一緒にものづくりをして販売しながら、地域の魅力を発信していく場。雇用創出にも繋がっていけばと思っています。
別の手法として、集客が伸び悩んでいる既存の文化施設へ集客していくような関わり方も可能です。僕たちはスタッフ育成のノウハウがありますし、事業のプロデュースは過去の経験が生かせる得意分野です。例えば、民族資料館のプロデュースなどは、ファッションや工芸品・民藝など文化や歴史に関心のあるスタッフたちの関心が高いテーマですし、別の目線で編集できたらおもしろくなるかもしれないですね。
さらに自治体のユニフォームのデザインを手掛けたり、一緒に地場産業を盛り上げる商品開発をしたりという、ライトな取り組み方もありえると思います」
ファッションのみならず、カルチャーやインテリア、飲食まで、ライフスタイル全般を包括した幅広いテーマ性。商品開発やセレクト、販売、まちの情報の再編集、空間演出、スタッフ育成など、多岐にわたる手法の数々。さらには、全国にネットワークを持つことも強みとするBEAMS JAPAN。
新たな自治体とパートナーシップを結んだ先には、いったいどんな風景が見えるのか。その可能性は無限大です。
第3回「公共空間逆プロポーザル」
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・地域のストーリーを独自の目線から発信したい「BEAMS JAPAN」