「公共不動産データベース」とは、全国の遊休公有財産の情報を一元化したサービス。面積や築年数など整理されたデータ項目と写真が大きく見やすいデザインで、全国の遊休公有財産情報を一気に検索することができます。
そんな公共DBの中から、公共R不動産のメンバーが、自身の興味のあるテーマに沿って、3件をピックアップしていきます。
※公共R不動産による独断と偏見でピックアップしています。
物件の詳細は、各リンクの物件情報と問合せ先からご確認ください(閲覧には会員登録が必要です)。また、データベース内の物件は常時更新されているため、リンク先の物件の掲載が終了しているものもあります。ご了承ください。
場所が拡張する学校
富山市立樫尾小学校(富山県富山市)
https://db.realpublicestate.jp/estates/5174#
教室と廊下の壁がなく、授業が教室の外へ拡張する。音楽室が体育館のステージの一角に配置され、音楽活動が体育館へ拡張する。教室周りの回廊や中庭のような人間スケールの空間では生徒の居場所を拡張する。この拡張こそがこの建築の特徴です。この特殊な空間構成を活かし、多様な活動が絡み合い、新たな活動を生むような活用が見てみたい物件です!
屏風とシンボル
旧大和田小学校(千葉県君津市)
https://db.realpublicestate.jp/estates/5357
裏山を屏風(びょうぶ)に見立てて鎮座し、地域のシンボルとなる。これがこの建築の特徴です。寺社で多くみられる配置で、その地域のシンボルとなるような建築は信仰の対象となる山を背負い、市街地のどこからでも見えるような場所に配置されています。教育のシンボルとしての役割を終えたこの建築。新たなシンボルとして活用された姿を見たい建築です!
京都に鎮座するキュビズム建築
元教業小学校(京都府京都市)
https://db.realpublicestate.jp/estates/5301
ピカソらを出発点にして建築界に影響を与えたキュビズム運動は、斜線や結晶体といったモチーフで構成される特徴を持ちます。その影響があったかは不明ですが、この小学校にも特徴的なガラスで構成された結晶が埋め込まれています。霧除けの庇などで水平方向が強調されている点で日本の洋風建築らしさを示しながらも、それを崩すガラスの結晶は、建築当時はさらに目を引くクリエイティブなデザインだったのでしょう。デザイナーの意思を継ぎ、現代のクリエイティブな活用方法をぜひ見てみたい物件です。
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全国の自治体から続々と公共不動産が掲載されてきています。まずは一度ご覧ください!
公共不動産データベース(公共DB)
建築家として建築のデザインも行う岸田が、建築的に見どころ盛りだくさんな建築をピックアップします。不動産物件として見ると、駅からの距離や市街地への近さ、築浅かどうかなどが気になってしまいますが、「建築」や「デザイン」の視点でみると新たな発見があるかもしれません。不動産物件としては使いにくな〜と思っても、それを跳ね返す建築的な魅力を見つけて、愛される活用に繋がれば嬉しいです!