藤沢市少年の森再整備プロジェクト
藤沢市少年の森再整備プロジェクト

出逢いを通じてわくわくが生まれるフィールドへ!藤沢市「少年の森」再整備に係る運営等事業者をEOI方式で募集開始

2023年4月より藤沢市と公共R不動産(株式会社オープン・エー)では、「少年の森」の再整備に係る基本方針と基本構想の策定を行ってきました。
たくさんの新しいチャレンジを重ねながら推進してきた少年の森再整備プロジェクトですが、いよいよ藤沢市の公民連携パートナーとして北部地域の価値を高め、持続可能な施設として「少年の森」の運営・維持管理等を担う事業者の募集を開始します!

>藤沢市・少年の森再整備プロジェクトのプロセスについては、プロジェクトページをご覧ください。

>藤沢市少年の森再整備に係る公募型プロポーザルによる運営・維持管理等実施予定者募集要項については、藤沢市のHPをご確認ください。

水源地もある豊かな自然環境

少年の森は、国際児童年記念事業として、1980年(昭和55年)5月5日に藤沢市が開設した青少年野外活動施設です。建設から40年以上経った現在でも、自然豊かで緑あふれる施設内にはアスレチックコースや木製遊具、キャンプ場、宿泊研修施設などが設置され、多くの青少年団体、青少年育成団体や学校、市民に利用されています。一方で、長期的には利用者数が減ってきている上に、施設の老朽化も著しくなっていることから、市として再整備を行うことを令和2年度に決定しました。

湘南の海だけじゃない藤沢市の多彩な魅力

藤沢と聞いて真っ先にイメージするのは江の島や湘南の海かもしれません。しかし南北に長い地形である藤沢市北部エリアでは、ブルーベリーやトマト、キャベツ栽培などの第一次産業が盛んで、新規就農する有機農家が多いことも魅力のひとつです。市としても「藤沢産オーガニックマルシェ」「藤沢産サンセットマルシェ」等の活動を通して、持続可能な農業の広がりや地産地消の推進を後押ししています。また、令和4年度にオープンした近隣の「遠藤笹窪谷公園」は、生物多様性サテライトセンターとしての側面を持ち、環境教育や自然保全の普及啓発を行う役割もあります。

再整備コンセプトは「エウレカの森」

公共R不動産は2023年5月から少年の森再整備プロジェクトに関わり、藤沢市子ども青少年部青少年課の皆さんと一緒に、基本方針では再整備の在り方として「森と水のキャンパス‐体験・創造型ネイチャーフィールド‐」、基本構想(案)では再整備のコンセプトとして「エウレカの森」を設定しました。

>基本方針、基本構想(案)については藤沢市のHPをご確認ください。
基本方針
基本構想(案)

プロセスを大切に、市民や地域とともに

基本方針の中で、再整備を検討・推進していく上で大切な視点として、以下の3つを掲げています。

  • 施設周辺エリアの恵まれた自然環境やコンテンツを最大限に活かし、当施設をハブとした藤沢市北部地域の暮らしと魅力向上に寄与する施設を目指すこと
  • ビジネス最優先の民間不動産活用とは異なり、公共不動産活用ならではの市民生活の質を高める公益性を重んじる視点を欠かさないこと
  • 公民連携に留まらず、市民・民間事業者(整備・運営者)・行政の三方よしについて考えること

また、少年の森や北部地域のポテンシャルは複数ありますが、基本方針、基本構想の策定支援に関わる中で、公共R不動産が気付いた藤沢市の大きな魅力は豊富な人材です。具体的には、

  • 少年の森を愛し、再整備プロセスにも関わりたいという想いを持つ能動的な市民の存在
  • 多様なスキルや個性を持つ事業者やユニークなプレイヤー等の存在
  • 先入観に捉われないフラットな姿勢と柔軟性を持つ藤沢市職員の存在

このような環境が基本方針や基本構想の進め方にも作用し、先駆的でクリエイティブな手法の選択を可能にしました。そのひとつが、ワークショップに参加した市民約50人が作成した「未来日記」を基に生まれた「藤沢市少年の森 未来ストーリーブック。少年の森が再整備で目指す未来の姿やそのプロセスを、老若男女問わず、誰もが気軽に読めて共有しやすい絵本形式にして取り纏めたものです。公募への参加を検討される方は最初にお読みいただき、藤沢市や市民が再整備において大切にしている考え方や目指す施設の在り方を感じていただけたらと思います。

約50人の市民が参加したワークショップの様子
遊び心に溢れた子どもたちの意見に大人もわくわく!
子どもたちのアイデアと表現は無限大!

EOI方式による運営・維持管理事業者の募集

社会や環境の変化が加速し、生産年齢人口の減少が続き、社会課題も増え続けている現代。竣工やリニューアル時点で施設が完成していること以上に、その時の課題やニーズに合わせて柔軟に対応可能なフレキシブル性が、施設や運営・管理に求められています。持続可能な施設運営に必要なのは、「計画を守る」ことではなく、「小さなトライアルを重ねる」、「共に作っていく、育てていく」ことが可能な自由度や余白、運営や仕組み。この考え方をふまえて、運営・維持管理事業者の募集に「EOI方式※1」を採用しました。完成された施設の運営・維持管理だけを行うのではなく、持続可能な施設を目指し、基本計画や設計、施工段階から各業者と連携・協働しながら事業推進することが前提となります。

※1 EOI方式:EOIは「Early Operator Involvement」の略で、運営重視型の公民連携手法のひとつ。施設整備などのプロジェクトの初期段階(計画や設計、施工等のフェーズ)から運営・維持管理等の事業者が関与することで、民間の持つノウハウを運営・維持管理フェーズに反映させ、より質の高いサービスの提供や、ライフサイクルコストを適正化しやすい施設づくりなどを目指すというもの。特に、収益性や集客、地域連携など、運営・維持管理に独自のノウハウを求められる施設で効果が期待できるとされる。

民間事業者の特性を活かした提案を!

企画提案いただきたいことや事業者に期待していることは、大きく4つ。

  • 少年の森の魅力と課題、基本方針、基本構想(案)をふまえた、新しい少年の森にふさわしい魅力的な事業概要や施設機能、配置の提案
  • 持続可能な施設の運営を見据えたコンテンツやサービス及び運営・維持管理の仕方や実施方法、自主事業等の提案
  • EOI方式の特性を活かした柔軟な業務遂行と協業体制
  • 藤沢市内の事業者や生産者、プレイヤー等との連携

この事業の特徴でもあるEOI方式による事業推進においては、企画提案いただいた内容の実現に向けて、市や基本計画の策定事業者や設計、施工等の事業者等と検討・協議しながら進めていくことが重要になります。一般的な委託業務のイメージよりも、積極性や能動性を求められる事業になりますが、自主事業等の提案を含めて、民間事業者ならではの創造性や独自性、効率性を発揮できると思います。

先にも記したように、藤沢市には多様で魅力的な人材が豊富です。多彩な個性やスキルを持つ事業者やプレイヤー、市民等が活動・活躍できるフィールドとして少年の森が育っていくことが、再整備の施設の在り方やコンセプトの具現化につながると考えています。地域風土を理解し、地域資源や人材を活かし、北部地域の活性化にも寄与する施設を目指した企画提案をお待ちしています!

今後のスケジュール(予定)      

・募集要項等の公表・配布3月17日(月)から
・現地説明会・見学会の参加申込受付3月17日(月)~3月21日(金)
・現地説明会・見学会3月27日(木)
・質問書の提出3月17日(月)~4月3日(木)
・参加表明書等の提出3月17日(月)~5月9日(金)
・質問に対する回答市HPにて4月16日(水)まで
企画提案書等の提出6月2日(月)~6月10日(火)
・プレゼンテーション・ヒアリング(評価・選定)7月1日(火)(予定)
・選考結果の通知7月8日(火)ごろ

公民連携のパートナーとして

近隣住民や生産者へのヒアリング、市民へのアンケートや藤沢市職員との庁内ワークショップ、市民ワークショップやパブリックイベントの開催など、プロセスを大切に多様な声を聞きながら基本方針、基本構想(案)を策定してきました。目指す未来のイメージは「藤沢市少年の森 未来ストーリーブック」に描かれています。

公表から企画提案書の締め切りまで約3ヶ月!余裕を持ったスケジュールを設定していますので、これまでの検討内容や再整備の方向性を理解した上で、未来の少年の森にふさわしい企画と運営・維持管理方法等をご提案ください。決められた仕様に則り、淡々と事業を実施するのではなく、藤沢市の公民連携パートナーとして、日々より良い施設へとアップデートしていく姿勢を持った運営・維持管理等事業者と、新しい少年の森を作っていくための公募型プロポーザルです。
先ずは、3/27の現地説明会・見学会にお越しいただき、少年の森の今と未来の可能性を感じ取ってください!お待ちしています。

神奈川県藤沢市「少年の森」再整備に係る運営・維持管理等実施予定者の公募型プロポーザルについての詳細、現地説明会等への参加申込方法や問合せ先については、下記、藤沢市HPをご確認ください。
藤沢市HP

これまでの取り組み記事
公共不動産データーベース「藤沢市少年の森」ページはこちら。 

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公共R不動産の本のご紹介

クリエイティブな公共発注のための『公募要項作成ガイドブック』

公共R不動産のウェブ連載『クリエイティブな公共発注を考えてみた by PPP妄想研究会』から、初のスピンオフ企画として制作された『公募要項作成ガイドブック』。その名の通り、遊休公共施設を活用するために、どんな発注をすればよいのか?公募要項の例文とともに、そのベースとなる考え方と、ポイント解説を盛り込みました。
自治体の皆さんには、このガイドブックを参照しながら公募要項を作成していただければ、日本中のどんなまちの遊休施設でも、おもしろい活用に向けての第一歩が踏み出せるはず!という期待のもと、妄想研究会メンバーもわくわくしながらこのガイドブックを世の中に送り出します。ぜひぜひ、ご活用ください!

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