せっかく取れた予算だし
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自治体の会計制度である公会計制度は、予算単年度主義である点が民間とは大きく異なります。
「予算は年度ごとに作成し、翌年度以降の予算を拘束してはならない」とする原則で、これによりその年の予算で行われる事業については年度末までに執行、完結(支払い)せねばならないため、年度末に駆け込みで予算消化が行われることになります。継続費や債務負担行為といった例外はあるものの、期をまたいだ複数年度にわたる事業が非常に困難になる、という問題があります。
そのため、抑えられるコストをカットしようと思うと次年度予算が削られる、今年度の予算額が残っているからとにかく消化する、といった考えが働き、不毛な支出を生み出すことに繋がってしまいます。
税金の有効活用という観点からも、予算の単年度主義や前年度実績主義を見直す必要があるのではないでしょうか。
制度改正が難しいなら、残った予算は「消化するもの」と考えるのではなく、次の事業に対しての「投資」と捉えてみてはどうでしょう。細切れの予算でも上手に使えば、単発の社会実験などを行うことも可能です。建前は工夫が必要かもしれませんが、次年度以降の事業を見据えたトライアルとして考えてもよいのではないでしょうか。