経歴を教えてください
松田 東子(まつだ・はるこ):株式会社スピーク/公共R不動産
• 1986年生まれ
• 一橋大学社会学部卒業
• 大成建設にてPFI事業における特別目的会社の管理業務に従事
• 2014年より公共R不動産の立ち上げに参画
• スピークでは「トライアルステイ」による移住促進プロジェクトに携わる
• 2017年からロンドンで産休・育休、2020年帰国
• 2021年ロンドン大学UCL MSc Urban Studies修了。修士論文では ‘New Shopkeepers in Columbia Road: their duration in temporality’ と題し、家賃に応じて出店場所を決めるとされる店主とエリアとの関係を、リテールジェントリフィケーション、ジェントリフィケーションとジェンダーの観点から考察
過去の担当業務
· 日経BP新・公民連携最前線と共同で「PPPまちづくりかるた」制作
· 公共空間に関わる事例紹介、制度解説、インタビューなどの記事執筆
· 『公共R不動産のプロジェクトスタディ』共著
· パブリック・アライアンス・トーク(公的不動産の活用について、各界の経営者が語る全12回のパネルディスカッション)運営
· 野村不動産(株)と「都市部におけるエリアマネジメントの収益事業に関する研究」共同研究。2016年建築学会発表。
· UR 賃貸住宅ストック活用・再生に資する海外等先進事例調査業務
(以下、スピーク・R不動産株式会社)
· 渋谷区空き店舗を活用した地域活性化事業企画運営
· 三浦市「トライアルステイ(※)」による人口減少抑制事業モデルの構築事業企画運営
· 箱根市トライアルステイ事業企画運営
· 指宿市・南九州市南薩トライアルステイ事業企画
※トライアルステイ:移住希望者に空き家を低価格で貸し出すことで、人口減に悩む町の移住者を増やし、交流人口を増やす試み
· 一般住居・事務所・店舗の不動産仲介業務
· 不動産賃貸管理業務
公共R不動産のプロジェクトで特に印象深いものは?
公共R不動産では、記事執筆や調査業務を主に担当してきました。渡英後、自治体の方の視察アテンドをしたのが印象に残っています。暫定利用のポップアップスペース運営事業者、再開発地のエリアマネジメント団体、自治体のストリートマーケット管轄部門など、空地活用の参考になるような場所をまわりながらインタビューしたのですが、イギリスはPFI制度が生まれた国でもあり、民営化の手法や市民の声を反映させる仕組みも成熟していました。イギリスと日本の違いを感じ、もっと学びたいと感じるきっかけとなりました。
その後ロンドンで大学院に進学し、リテールジェントリフィケーション(近隣住民のための八百屋や雑貨店といった店舗が、新規住民や観光客など、より経済的に豊かな人向けのブティックやギャラリーなどに変わっていく現象)について研究しました。イギリスは子連れに寛容ということもあり、インタビューには子どもを連れて行ったのですが、皆さん温かく受け入れてくださったのも良い経験でした。味を占めて、帰国後も取材などの際は、ご迷惑でない範囲で子どもを同行させています。公共空間とは、を考える自主社会実験というか、(コンフリクトもあるし、お金をいただいてする仕事の場合はましてやではあるのですが)公共空間やまちについて考える時に、当事者でもある子どもが存在するくらいはいいのでは、という思いもあり、子どもが小さいうちは可能性を探ってみたいと思っています。
あなたが考える公共R不動産らしさ、特徴とは?
上司、部下のような上下関係ではなく、フラットな関係の中で、他のメンバーの仕事のやり方から多くを学んでいます。業務を受けるか検討する際に、本当にやりたい仕事なのか、社会に何等かインパクトを残せる仕事なのかを考えることが多いのも特徴です。
公共R不動産をやる中で、どんなことにやりがいを感じますか?
新しい価値、制度などが生まれる過程に立ち会えるところにやりがいを感じます。使われていないスペースが、その場所を必要としている人と出会って、社会が少しでもよくなるといいなと思っています。
公共R不動産でこれからチャレンジしていきたいことは?
民間企業は営利追及、お金にならないことは行政が、というような区分けが、少しずつあいまいになってきていると感じます。経済的な利益だけでなく社会的な利益に目を向ける民間企業と連携し、行政がコスト意識をもって事業に取り組めるよう、公共R不動産としてアシストしていきたいです。また、「公共不動産データベース」で日本中の遊休公共不動産の情報に誰でもアクセスできる環境を整えたいと考えています。
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