公共R不動産がピックアップする物件
公共R不動産がピックアップする物件

都心から1時間の自然豊かな町。埼玉県小川町旧上野台中学校サテライトオフィス入居事業者募集

埼玉県小川町にて、旧上野台中学校サテライトオフィスの入居者を募集しています。多世代共生の持続可能なまちづくりプロジェクトの拠点として整備が進む物件です。都心から1時間の緑豊かな環境で、地域と関わりながら働いてみませんか?

グッドデザインな学び舎

小川町の小高い丘の上にある東小川住宅団地。旧上野台中学校はこの住宅地エリアに位置します。築31年であり閉校してから12年が経過した建物ですが(2023年時点)、入り口にはトップライトがあったり、打ちっぱなしのコンクリートに建具のパステルカラーがアクセントになっていたり、三角屋根の意匠だったりと随所にこだわりを感じる造りで、室内にはさわやかな空気が流れています。

左 2階から昇降口を見る。トップライトから光が差し込む開放的な空間。 右 打ちっぱなしのコンクリートにパステルカラーの扉。
左 左が校舎棟、右が体育館。外観のデザインもいい感じ。 右 音楽室は133㎡ほどの大きさ。

今回募集しているのは、1〜2階の元クラスルームを中心に音楽室や調理室など全14部屋(一部相談中、契約済みの部屋もあり)。クラスルームは南向きで日当たりが良く、使い勝手がよい62〜65㎡ほどの広さです。

全室の賃料や床面積など詳細は以下のURLをご覧ください。
https://www.town.ogawa.saitama.jp/0000005658.html

今回メインで募集している教室部分。
左 南向きで光がたっぷり入ります。 右 床の木目がかわいい!

小川町ってどんなところ?

池袋駅から東武東上線に乗り込み、揺れる電車に身をゆだねること1時間。高層ビルから郊外のまちなど移ろいゆく景色を経て、たどり着いたのは緑豊かな里山に囲まれた風景でした。

都心から1時間で異世界へトリップできるアクセスは、間違いなくこのまちが持つ大きな魅力。それだけではなく、歴史を誇る小川和紙や小川絹をはじめ、建具、酒造などの伝統産業で古くから栄えた町であり、まちには歴史的建造物や蔵など当時の面影が残っています。

里山が町を見守る小川町の日常風景。山の麓(ふもと)には農地が広がる。

近年では化学肥料や農薬に依存しない自然の力による循環型農業が盛んな地域としても知られ、農業を学びに新規就農者がやってきたり、子育て世代やクリエイティブ職の30〜40代など、若い世代の移住者が増えているそうです。

そんな背景から人も建物も新旧が混ざり合うまちづくりの潮流が生まれつつあり、近年、古い建物を活かした公共的な空間が誕生しています。詳細は以下の関連記事をご覧ください。

関連

埼玉県小川町の公共的な空間4例。
市民活動を生かすクリエイティブな公民連携

関連

行政・民間・地域の連携から生まれた 埼玉県小川町「コワーキングロビーNESTo」

多世代共生の持続可能なまちづくり

旧上野台中学校は東小川住宅団地の中にあります。隣の敷地にある東小川小学校に続き、この地域の受け皿として1992年に開校しましたが、少子高齢化にともない2011年には統合され閉校となりました。

その後、「高齢者関連の施設をつくってほしい」という自治会の要望を受け止めながら活用検討が進み、サウンディング調査を実施。同じく閉校が決まった隣接する小学校と一体的に活用しながら持続的な団地にしていくための事業として、コンセプトが固まっていきました。

旧上野台中学校利活用事業のコンセプトは「多世代共生の持続可能なまちづくり」。高齢者になってもこのエリアに住み続けられたり、若いファミリーは子育てや教育に関するサービスが受けられたり、多様なスタイルで働ける場所があったり。いろんな人が集まり、交流できて、働き、学ぶことができる場所。どのライフステージでも訪れることができる場所を目指しているそうです。

介護者育成IT会社のスクール、ドローンスクールなど、一部の入居者はすでに決定しています。校舎の一部はレンタルキッチン、特産物販売所、レンタルオフィス、コワーキングスペースなどに活用されます。また、グラウンドの一部には高齢者介護施設や賃貸集合住宅が建設される予定です。入居者の半数以上は都内をはじめ町外の事業者とのこと。地元と町外による新たな要素のミックスが期待されます。

左 ラウンジのイメージ。元職員室が明るいラウンジに。入居者は自由にこの場所を利用することができ、入居者同士の交流の場となる。 右 屋上から見た校庭。山々が連なって見える穏やかな風景。写真右側のテニスコート付近には高齢者介護施設が建設予定。

地域と関わり、地域とつくる

旧上野台中学校の運営を担うのは(株)おいでなせえ。レンタルキッチンとコワーキングスペースの運営を軸としながら、入居者や地域の人とのハブとなり、この建物を盛り上げていく役割を担っていくそう。そこで「この場所には入居者同士、地域との関わり合いに関心がある人に入居してほしい」とおいでなせえの岡本さんは話します。

「一緒になにかしたいという感覚を持つ人に入居してもらえるといいですね。業種は問いません。みんなでこの場所を利用し、守りながら、いろんな人が混ざり合うことで新しい活動や事業をつくっていけたらいいですね。

地域の人のキャリアや知識、特技を生かした活動をしてもらったり、それによって子どもたちの学びになったり。もしくは学生さんが社会に出る前にいろんな事業の体験ができたり。あらゆる世代の人にとって、いろんな気付きがある場所にしていきたいと思います」

運営事業者おいでなせえの岡本和雄さん(左)と小川町の上翠さん(右)からのメッセージ。「この地域で新たな展開を楽しんでもらえる事業者のみなさま、お待ちしています!

募集概要

契約方法は町と定期建物賃貸借契約を交わすかたちとなります。内装工事については町と事前に改修事項を協議したうえで、事業者負担で進めていきます。壁にペンキを塗ったり、床を張り替えたり、基本的には入居者が愛着をもてる空間をつくっていけるよう、できるだけ許容していきたいとのこと(原状回復については応相談)。契約期間は最短1年間、おおよそ5年程度の期間を想定しています。

今後はコワーキングスペースやレンタルキッチンもオープンし、オフィス席の利用者やキッチンの出店者の募集も始まっていくとのこと。この場所にどんな風景が生まれるのか、いまから楽しみです!

※追記(2023年6月)
公式サイトがオープンしました!
https://ogawa-uechu.com

春には桜が咲きます。校門の奥に見えるのが校舎棟。

最新のリーシング情報は以下よりご確認ください。

お問い合わせ

埼玉県小川町役場 政策推進課 政策推進グループ
メール:ogawa103@town.saitama-ogawa.lg.jp
電話: 0493-72-1221(内線222.223)
ファクス: 0493-74-2920

連載

すべての連載へ

公共R不動産の本のご紹介

クリエイティブな公共発注のための『公募要項作成ガイドブック』

公共R不動産のウェブ連載『クリエイティブな公共発注を考えてみた by PPP妄想研究会』から、初のスピンオフ企画として制作された『公募要項作成ガイドブック』。その名の通り、遊休公共施設を活用するために、どんな発注をすればよいのか?公募要項の例文とともに、そのベースとなる考え方と、ポイント解説を盛り込みました。
自治体の皆さんには、このガイドブックを参照しながら公募要項を作成していただければ、日本中のどんなまちの遊休施設でも、おもしろい活用に向けての第一歩が踏み出せるはず!という期待のもと、妄想研究会メンバーもわくわくしながらこのガイドブックを世の中に送り出します。ぜひぜひ、ご活用ください!

もっと詳しく 

すべての本へ