公共R不動産がピックアップする物件
公共R不動産がピックアップする物件

“みんなの学校”をつくるための生野小学校
活用マーケットサウンディング 開催!@大阪市生野区

今回紹介する物件は、大阪市生野区にある生野小学校。
令和4年3月に閉校が予定されています。

そのため、閉校後の利活用に向けて事業者と生野区が、校舎貸付の条件なども含めたアイデアについて対話を行うマーケットサウンディングが開催されます!
校舎、校庭等を一体的に活用する事業者を、2021年冬頃に公募予定です。

まず大阪市生野区といえば、
外国人住民の比率が都市部全国1位の約20%(約60か国)の多文化のまち
製造業・事業所数市内1位のものづくりのまち
高齢単身者率約20%(市平均約15%)
老朽木造家屋 市内17%(市内1位)空き家率20%(市内5位)など…..
全国的に見ても特徴をもつまち。

昔ながらの長屋・銭湯・商店街や市内でも有数の”地車”が未だに残るなど、様々な文化が凝縮されている個性あるまちです。

しかし、小学校1学年あたり1.42学級(市平均2.13学級)と少子化傾向にあり、区の西部地域では12の小学校を4つに再編する計画が進められています。

複数の学校が同時期にリノベーション(再活用)される事例は、全国的に見ても少なく、生野の新たな一面を作っていくチャンスともいえるわけです。

今回の募集となる、区の南西部に位置する生野小学校。
2016年に創立140周年を迎えた歴史ある小学校ですが、令和4年(2022年)3月に閉校が予定されています。

生野小の周辺エリアってどんな場所

JR寺田町駅とJR東部市場前駅のどちらからも歩いて15分程。駅からは商店街や市場、平野川沿いを通り、まちを散策しながら歩ける距離にあります。

生野小学校には、「舎利寺」「林寺」などの村々を経て、東住吉区の桑津に至る桑津街道が隣接しており、そこは、あの仁徳天皇が妃・髪長媛(かみながひめ)の住む桑津までしばしば行幸された道筋とも言われているなど、歴史ある通りが今もなお残るエリアでもあります。

すぐ南側には、東西に約1kmに及ぶ生野銀座商店街をはじめとした商店街が続き、飲食店や食料品、日用品等様々な店舗が連なっています。

また、周辺地域では、市の密集住宅市街地整備のモデル事業(生野区南部地区整備事業)が進められており、今後も住環境の改善、防災性の向上が図られていくことで、中長期的にみてもエリア価値の向上が期待できる地域でもあります。

このエリアの特徴は、観光スポットや大規模な施設ではなく、商店街や長屋や神社、銭湯といった日本らしいまちなみが残る地域であるところ。
つまりは、周辺地域からも新たに注目される拠点となる可能性を秘めた物件となりそうです。

生野小学校 活用に向けたニーズやアイディア

今回のマーケットサウンディングに至るまでに、地域住民で構成される跡地検討会議を令和元年度から開催し、様々な意見交換を経て策定を進めてきた、生野小の「跡地活用計画(案)」をご紹介いたします。

・生野小学校 跡地活用計画(案)

生野小学校区では、 教育機関など様々な学びの場としての機能を持つ事業者を募集しています。
そして、校舎を地域の防災拠点機能として災害が起きた際は、教室を開放できる活用提案を求めています。

本マーケットサウンディングでは、学校法人に限定するのではなく、“教育や学びの場”となるような柔軟な提案も合わせてお待ちしています。

生野小学校 跡地活用計画(案)の情報はこちら
https://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/page/0000527934.html

生野区の“学校跡地を核としたまちづくり構想”の実現へ向けて

生野区の校舎活用で描いているビジョン「みんなの学校/まちぐるみ教育」については、こちらに考えがまとめられているのでぜひご覧下さい。

まちづくり構想の情報はこちら 
https://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/page/0000470999.html

生野区の西部地域では、小中学校の再編と校舎の新たな活用について検討を進めてきました。その中で、学校は無くなるのではなく「みんなの学校」として新しい形の学びの場・居場所の拠点となり、それらが核となって多世代・多文化・すべての人が関わり学び合える機会が街中にも広がっていくような、生野区独自の「まちぐるみ教育」を実現しようと「生野区西部地域の学校跡地を核としたまちづくり構想」を令和元年6月に策定しています。

マーケットサウンディング概要

イベント情報URL: https://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/page/0000525261.html

スケジュール:
・マーケットサウンディングの実施の公表   令和3年3月5日(金)
・説明会の開催(区HPにおける動画配信にて)  令和3年3月15日(月)~
・現地見学会参加申込期限          令和3年3月23日(火)
・現地見学会の実施             令和3年3月29日(月)、30日(火)
・実施要領に関する質問受付期限       令和3年4月23日(金)
・質問に対する回答             令和3年5月12日(水)
・調査票の受付期限             令和3年5月31日(月)
・提案者との対話の実施           令和3年6月18日(金)まで
・提案結果のとりまとめ、公表        令和3年8月(予定)

今回のマーケットサウンディングは、生野小学校の「活用計画(案)」をベースに、求める条件のもとで考えられる活用案や、具体的な管理運営手法などを把握するために実施されます。

校舎の実際の状況や具体的な貸付条件など、事業者の意向を様々に伝えていくチャンス!ともとれますね。

本マーケットサウンディングを踏まえ、最終的な「活用計画/公募要項」が策定されていくことになるので、ぜひ疑問点や具体的な事業イメージをすり合わせていかれるのが、得策となりそうです。

ステータス:募集中
所在地:大阪市生野区舎利寺3-1-39
交通:寺田町駅と東部市場前駅 どちらからも徒歩15分程
価格:未定
期間:サウンディング|令和3年3月〜8月(予定)
運営事業者公募実施|令和3年度冬頃開始(予定)
募集要項:生野小学校 活用マーケットサウンディング

連載

すべての連載へ

公共R不動産の本のご紹介

クリエイティブな公共発注のための『公募要項作成ガイドブック』

公共R不動産のウェブ連載『クリエイティブな公共発注を考えてみた by PPP妄想研究会』から、初のスピンオフ企画として制作された『公募要項作成ガイドブック』。その名の通り、遊休公共施設を活用するために、どんな発注をすればよいのか?公募要項の例文とともに、そのベースとなる考え方と、ポイント解説を盛り込みました。
自治体の皆さんには、このガイドブックを参照しながら公募要項を作成していただければ、日本中のどんなまちの遊休施設でも、おもしろい活用に向けての第一歩が踏み出せるはず!という期待のもと、妄想研究会メンバーもわくわくしながらこのガイドブックを世の中に送り出します。ぜひぜひ、ご活用ください!

もっと詳しく 

すべての本へ