2024年9月、公園化をテーマとした書籍『パークナイズ 公園化する都市』(2024年、学芸出版社)を発売しました。人間は本能的に都市を再び緑に戻す方向へと向かっているのではないだろうか、という仮説のもと、多様化する公園のあり方や今後の都市空間について考えていく一冊です。
今回は本書より抜粋して、さらにパークナイズの概念を加速させるためのアイデアを紹介。家の軒先やまちにある余剰地を公園と見立て、そこに生まれる風景をスケッチで表現していきます。(※2024年出版当時の転載記事です)
軒先スケールのパークナイズ
庭先や軒先を、少しだけパブリックに解放し、私有地と公共空間の境界線を空間的にまたは時間的に曖昧にしてみる。そこに緑や人の活動が滲み出すことで都市の公園化が始まる。
1つ1つの規模や行動は小さくても、その数が増え、点在し、連なれば、都市の風景を大きく変えていくかもしれない。
町工場のパークナイズ
町工場が地域のクリエイティブハブに
町工場が、もしも街や市民にひらかれたら。壊れた家具を直してもらえたり、工場で出る廃材を使った工作教室が開催されたりすることで、日常の延長で地元のものづくりに触れるきっかけが生まれそうだ。たとえば週末だけでも技術や空間をひらけば、街との距離がぐっと近づき、町工場が集積するエリアは地域のクリエイティブハブになっていくかもしれない。
建築スケールのパークナイズ
公園と隣接することで、もしくは公園と共にあることで、建築の魅力やエリアの価値が上がる。企業も行政もそれに気づき始めた。空間や時間を機能で満たそうとした近代を、どこか息苦しく感じるようになった現在、そこに余白を設け「公園」と呼んでみる。空間も時間も、公園化することによって、その場所の可能性を再認識できる。
ガソリンスタンドのパークナイズ
郊外の風景を変えるロードサイドの拠点に
特に地方都市において、役目を終えたガソリンスタンドを見かけることが増えてきた。いっそここを車のための場所から人のための場所へと転換してみるとどうなるだろう。車のスケールに合わせた大屋根は、集う人たちを雨から守るとともに遊具の一部ともなり、自動販売機の並んでいた待合スペースは、公園を見守るカフェや遊具のレンタルショップに。キッチンカーの乗り入れも簡単だ。ロードサイドに生まれた人とモビリティのための居場所は、新しい目的地として注目されるかもしれない。
9月19日発売『パークナイズ 公園化する都市』(学芸出版)
テーマは「PARKnize=公園化」。今、人間は本能的に都市を再び緑に戻す方向へと向かっているのではないだろうか、という仮説のもと、多様化する公園のあり方や今後の都市空間について考えていく一冊です。
Amazonの予約、購入はこちら
https://amzn.to/45PDUa3