所沢駅周辺グランドデザインとは?
東京都心へのアクセスの利便性と豊かな自然を有する埼玉県所沢市は、住宅都市としても人気のエリアです。特に所沢駅周辺では商業施設やマンションの建設が進み、2024年秋には駅前に大規模商業施設が開業予定。再開発が進み、街の景色、機能、暮らす人々など、様々な面で変化が生まれています。
そんな所沢市では、令和3年度に「所沢駅周辺グランドデザイン」を策定。パブリックスペースや既存資源を活用した個性ある魅力的なコンテンツをつくり出し、街をめぐる面白さがある「人中心の豊かなまち」を目指す大きな方向性が示されています。
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グランドデザインを具体的に形にしてみる
「TOKOROZAWA STREET PLACE」
令和4年度から、そんなグランドデザインの理想像をより具体的に実践するプログラム「TOKOROZAWA STREET PLACE」がスタート!RFA・オープン・エー(公共R不動産)・ハートビートプランの3社で業務推進しています。
所沢周辺のプレイヤーと連携し、駅前周辺のポテンシャルの発掘や回遊性向上を目指した社会実験「TOKOROZAWA STREET PLACE 2022」等の活動を経て、令和5年度からは、街歩きスタディ「STREET PLACE STUDY」と、実践の場「STREET PLACE CHALLENGE」を軸に、より具体的な取り組みを進めています。
ここからは、2023年9月18日(月・祝)に開催した街歩きスタディの様子をご紹介!まだまだ真夏の暑さが残る中、参加者のみなさんとわいわい街を観察!未来への妄想がたっぷり生まれた1日となりました。
多様な40名のみなさんと所沢の街なかをめぐる街歩きがスタート!
今回の街歩きでは、グランドデザインで示されている4つのエリアのうち、新たな変化が起きている場所、これから変化の予感が感じられる場所を中心に巡りました。
参加者は、普段からまちづくりの活動に関わる方だけでなく、所沢市内で個人事業を営む方、作家やアーティストの方、大学生など、約40名の多様なみなさん。所沢駅に集合し、4つのグループに分かれて街歩きがスタートです!
「自宅の目の前に空き家があって。何かに使えないかなあと思っていたんです」「普段は食品の小売業を経営していますが、とにかく所沢が大好きで、何かできることはないかと参加してみました」「自分の事業を活かして、地域でワークショップや教室を開ける場所を探しているんです」などなど、参加のきっかけや理由もいろいろ。
普段の働き方や暮らし方が違うからこそ、街を歩きながら発見した視点をみんなでシェアすることで、自分だけでは思いつかなかったアイデアが生まれたり、エリアにとっての未来への種が見つかることも。あれこれおしゃべりしながら、ゆっくり街を歩いていきます!
街の玄関口の賑わいと、落ち着いた裏通りのコントラストを楽しむ
プロぺ・昭和通りエリア〜駅裏エリア
まずは再開発の工事が進む、所沢駅西口の西武鉄道車両工場跡地に建設中の大型商業施設を見ながら、所沢の玄関口として人通りの多い「プロぺ・昭和通りエリア」を進み、「駅裏エリア」へ。
「駅裏エリア」には個性的な飲食店や雑貨店などがあちこちに立ち並びます。通称「コーヒーストリート」と呼ばれるほどコーヒーショップが多く、散策にもぴったりなエリア。
駅裏エリアのガイドを務めてくれた、このエリアで10年以上お店を営む角田テルさんによると「この辺りは、かつては非常に人通りが少ないエリア」だったそう。「今のように個人店が増えて賑わうようになったのは、取り壊し予定だった”光荘“というアパートを複数の店舗が使えるようリノベしたのもきっかけの1つです。お店のドアを通りに面して設置したことで、少しでもエリア全体にプラスになる動きをつくれないかと考えました。その後、レストランなどが徐々に増え、理想的な街並みに近づいていきました」と角田さんは話します。
「駅裏エリア」は、通称「将校住宅」など古くて味のある建築物が点在することも魅力のひとつ。リノベーションすることで、飲食店や小売店、アトリエなど様々な用途に活用できそうだと、みんなで様々な妄想が膨らみました。
豊かな暮らしのあるカルチャーエリア
銀座・ファルマン通りエリアへ
銀座・ファルマン通りは、江戸時代から交通の要衝として宿場が形成され、、古くから農産物や織物の市が開かれるなど、古き良き文化の残るエリアです。さらに新しいマンションが立ち並び住宅エリアとしての性質も強まる一方で、、ファルマン通り交差点の改良工事も行われ、交通渋滞の解消とともに歩きやすい空間の整備も進んでいます。歴史を感じながらも、安全に暮らしやすいエリアとして、注目が集まっています。
街歩きも後半戦!
個性的な店舗が並ぶ学校新道エリアへ
西所沢駅方面へ向かう学校新道エリアは、保育園や小学校、商店が多く、細い道ながら人通りが多いストリート。老舗の小売店や飲食店、建築物としてもポテンシャルのある空き店舗、路地が目立ちます。「歩道でイベントできないかな…」「ファミリー世帯も多そうだから、何かこども向けの取り組みもしやすいかも..」といろいろなアイデアも。
途中で、西所沢駅近くの民家を改装したカフェと雑貨店「Chilling」に立ち寄りました。「Chilling」は、西所沢エリアで不動産業を営む株式会社吉祥リビングがリノベーションを手がけています。「Chillingには、エスニックやカレー料理を出すレストランと米粉のお菓子屋さん、2つのテナントが入っています。西所沢エリアをよりたくさんのチャレンジが溢れる街にしたくて、近くにある別の場所でも、同様に飲食店やサロンの事業者さんにスペースを貸し出しています。」と代表の岡川拓之さんは言います。そんな様々なチャレンジが応援される土壌があるのもこのエリアのポテンシャルのひとつ!
「Chilling」の見学を終え、西所沢駅から電車に乗って所沢駅へ。ワークショップに移ります。
エリアのみらいを妄想しよう!
ディスカッションタイムで生まれた様々なアイデア
4つのグループに分かれて所沢駅周辺の大きな地図を広げ、それぞれが可能性や魅力を感じたエリアやスポットを記す「ポテンシャルマップ」の作成と、今回メインで巡った学校新道エリアと駅裏エリアに名前をつけてみるワークを実施。
短い時間ながら、実際に自分の手と足を動かして見てきた街の未来へのアイデアが次々に。生まれたアイデアの一部をご紹介!
▶︎所沢駅〜西所沢駅をつなぐ拠点やハブとは?
コミュニティ機能を担えるような拠点とは?エリア全体のランドマークになるような、情報発信もできる場所をつくりたい!所沢駅から西所沢駅一帯がつながることで、魅力的なコンテンツも増えるのではないか?
▶︎駅裏エリアのこれから
所沢駅周辺だけでは遊ぶ場所が少ないというイメージも?「わざわざ」行きたい場所としての世界観をつくるために、新しい魅力を付与していきたい。
▶︎学校新道のアットホームさを活かすには?
空き店舗や古い建物を活用できないか?ご近所のつながりを促進できるような取り組みをしてみたい。新しい商店街、新しい専門店街としてのまちづくりの方向性もあるのでは?
▶︎既存の建築物をうまく活用できないか?
銀座ファルマン通りエリアの病院跡地、駅裏エリアの長屋近辺、将校住宅、秋田家住宅、学校新道の空き店舗など、味のある建築物をリノベーションできないか。
出てきたアイデアは、どれも実現したらエリアが活気を帯びるようなイメージが湧くものばかり。すぐには実現が難しいかもしれませんが、この街歩きスタディを通じて感じたまちのポテンシャルを具現化できるような動きが連なっていくといいなという期待をこめて、ワークショップは終了しました。
ローカルに触れ、エリアを巡る2日間が開催。
そして11月には、居心地が良く歩きたくなる街をつくる社会実験として、街なかに個性的なお店を集めた社会実験マーケット「STREET PLACE CHALLENGE」が開催されます。所沢で活動するこだわりのパン屋さんやお菓子屋さん、クラフト作品の販売やこども向けの遊び場など、所沢周辺のユニークなプレイヤーのみなさんが集まります。さらに同日に所沢周辺エリアで開催される7つのイベントとも連携し、「TOKOROZAWA DESIGN WALK」というマップを制作し、エリアの回遊性を高めていく動きも進めています。
詳細はこちらから。今後のTOKOROZAWA STREET PLACEにもぜひご注目ください!
https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/kurashi/jutaku/chushinshigaichi/TSP2023.html