台湾の魅力の一つである公園
私は、台湾が好きで、ここ数年は、コロナの期間を除き年に2回くらいのペースで通っています。こんなに何度も同じ国に旅行に行くことはあまりないのですが、台湾の魅力にすっかりハマって、今年の6月に行ったばかりにもかかわらず、次はいつ行こうかなと考えているくらい好きです。台湾の魅力と好きなところはいろいろあるのですが、特に好きなのが公園です。
2022年11月に行った時に発見した新北大都会公園は、衝撃的で2022年度 公共R不動産メンバーが行ってよかった公共空間にも選ばせてもらい、その後podcast「公共R不動産の頭の中」でもお話しさせてもらいました。
台湾の公園の好きなところはたくさんあるのですが、
・向かい合って配置されているベンチ
・子ども向け遊具と健康遊具の配置の仕方と距離感
・バリエーション豊富な健康遊具
・無料で使えるスポーツ施設の多さ(特にバスケットコート)
・日陰を用いた空間デザイン
などがあります。
なにより健康遊具を使って運動している大人や、おしゃべりしているおばあちゃんたちなど公園を利用しているのが、子どもや子どもがいる家族だけでなく、誰もが居場所がある空間になっているところが特に好きです。
日陰を活用した遊具の配置と
遊具に日除けをつける工夫
台湾に行くたびに、大小さまざまな公園に立ち寄って、散歩したり、休憩したり、健康遊具を使ってみたりしていると、台湾に住んでいるような気分になります。そんな風に過ごしているうちに気づいたのが、台湾の公園は木が多く、日陰を作る工夫がしてあって比較的涼しい!ということ。
よく見ると、日本だと公園の真ん中に配置されているような遊具が、木陰に配置されていたり、遊具の上に日除けが設置されていたり、暑い国で公園で過ごす工夫が行われていることに気づきました。
台北と東京の7月の平均気温を比べると、その違いは約5℃。台北の平均最高気温は33℃です。ウェザーニュースの記事によると、日本で33℃の気温の時に滑り台などの遊具の表面温度を調べるとなんと約70℃にもなり火傷の危険があるとのこと。温暖化が進み気温が高い日が増えている日本でも、遊具への日除けの設置や、配置の見直しが必要になってきているのではないか。と感じました。
日差しと降雨を避けるための工夫とパブリックマインド
1年を通して温暖で季節によっては雨が多い台湾では、公園以外でも昔から日差しと降雨を避けるための工夫がされてきたようです。
街中の店舗が連なっている場所では、通りに面している1階の部分が商店街のアーケードのような屋根「騎楼(亭仔脚)」になっているため、日差しや雨を避けながら歩くことができます。私は、「公共空間である歩道にお店がはみ出ている!自由だ」と思っていたのですが、実は歩道は私有地という扱いで、国の施策として各店舗の1階部分を公共空間として提供することを促しているため、そういった使い方をされているようでした。
国として施策をとっているとはいえ、私有地を公共空間として提供するというパブリックマインドが根付いているのがすばらしいなと感じました。
また、公園のベンチに椅子を足してみたり、自分たちの使いやすいようにカスタムしていたり、パブリックスペースの使い方が寛容で柔軟なところも台湾の魅力の一つです。
すっかり暑さに慣れたつもりで帰国しましたが、しっかり暑い日本に慣れることはなく日々を過ごしながら、日陰のありがたさと必要性を感じた旅でした。
温暖化が進む中で、日本より温暖な気候の台湾が取り組んでいる日除けの工夫を日本でも取り入れ、日陰をつくる空間デザインや設計が必要なのではないでしょうか。
参考
日本統治期の台湾における軒下歩道の利用と管理
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aija/79/699/79_1265/_pdf
駐車場や滑り台は70℃に!? 夏場の思わぬ火傷に注意
https://weathernews.jp/s/topics/202108/030155/