(1)都市の多様性とイノベーションの創出に関する懇談会(2019.2)
人口減少社会において、女性の活躍やスタートアップの拡大など都市経済・社会の「多様性」の促進や、これら多様性の集積・交流を通じた「イノベーション」の創出など、付加価値を創出する「都市」のあり方について検討するため、懇談会が設置された。
https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_machi_fr_000004.html
○懇談会中間とりまとめ(2019.6)
「『居心地が良く歩きたくなるまちなか』からはじまる都市の再生」
懇談会の中間とりまとめ報告書では、コンパクト・プラス・ネットワーク等の都市再生の取組をさらに進化させ、官民のパブリック空間をウォーカブルな人中心の空間へ転換し、民間投資と共鳴しながら「居心地が良く歩きたくなるまちなか」を形成することにより、内外の多様な人材・関係人口の出会い・交流を通じたイノベーションの創出や人間中心の豊かな生活を実現する都市を構築していくべきという提言がなされた。https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi05_hh_000249.html
国交省リリース(2019.6.26)
https://www.mlit.go.jp/common/001301649.pdf
都市経済・社会をめぐる「10の潮流」および今後のまちづくりの方向性と「10の構成要素」、イメージ例などが取りまとめられている。特に「10の潮流」は今後の議論において押さえておく必要があるでしょう。
(2)「まちなかウォーカブル推進プログラム(令和2年度予算決定時点版)」とりまとめ(2019.12)
懇談会からの提言を受け、「まちなかウォーカブル推進プログラム」として、関連する令和2年度予算や税制改正等が取りまとめられるとともに、提言に共鳴しともに取組を進める「ウォーカブル推進都市」への賛同状況の報告。
「都市構造再編集中支援事業」(立地適正化計画に基づく事業に対して総合的・集中的な支援を行う個別支援制度)を創設するとともに、「まちなかウォーカブル推進事業」(ウォーカブル都市の構築に向けた街路・公園・広場等の既存ストックの修復・利活用に対して重点的・一体的な支援を行う)を創設。
https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi05_hh_000268.html
https://www.mlit.go.jp/common/001321053.pdf
国交省リリース(2019.12.20)
○国土交通省都市局令和2年度予算決定概要(2019.12.20)
https://www.mlit.go.jp/page/content/001321120.pdf
都市再生整備計画事業制度の再編等について(都市局市街地整備課・街路交通施設課)
https://www.mlit.go.jp/toshi/city/sigaiti/toshi_urbanmainte_tk_000073.html
「居心地が良く歩きたくなる」まちなかづくり支援制度(法律・税制・予算等)の概要
https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_machi_tk_000072.html
ストリートデザイン懇談会、今後の市街地整備のあり方に関する検討会、まちなか公共空間等における「芝生地の造成・管理」に関する懇談会など、今後懇談会・検討会が提言をまとめること、さまざまな事例集やガイドラインが作成されることなどが示されています。
(3)「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案」閣議決定(2020.2)
都市再生特別措置法について、災害ハザードエリアにおける新規立地の抑制、災害ハザードエリアからの移転の促進、居住エリアの安全確保などの安全なまちづくりに関する改正にあわせ、「居心地が良く歩きたくなる」まちなかの創出、居住エリアの環境向上などの魅力的なまちづくりに関する改正が閣議決定された。
https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi05_hh_000271.html
国交省都市局・住宅局リリース(2020.2.7)
(4)懇談会から派生した3つのスピンオフ懇談会
4-1 まちなか公共空間等における「芝生地の造成・管理」に関する懇談会(2019.7〜)
懇談会からの提言を受け、まちなか空間の芝生化による地域の再構築を進めるため、芝生地の持つ可能性や、芝生整備・管理のあり方について整理を行うために設置された。
(座長:涌井史郎、事務局:国交省都市局公園緑地・景観課)
https://www.mlit.go.jp/toshi/park/toshi_parkgreen_tk_000087.html
○芝生を活用したまちなか空間の創出ガイドライン
『芝生のチカラを活かしたまちのCORE(コア)のつくり方』というタイトル。まちなかのパブリック及びセミパブリック空間における芝生・みどりを対象に、芝生の意義、効果、造成・管理のポイントを開設したガイドライン。
https://www.mlit.go.jp/toshi/park/content/001338582.pdf
国交省都市局公園緑地・景観課リリース(2020.4.1)
https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi10_hh_000341.html
4-2 ストリートデザイン懇談会(2019.8〜)
ウォーカブルなまちなかを支えるこれからの時代のストリートのあり方を検討するため設置された。
(座長:岸井隆幸、事務局:国交省都市局)
https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_gairo_tk_000087.html
○ストリートデザインガイドライン(バージョン1.0)
https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_gairo_fr_000055.html
概要版
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001335874.pdf
技術的助言(国交省都市局長・道路局長、2020.3.30)
https://www.mlit.go.jp/toshi/content/001338034.pdf
国交省都市局街路交通施設課、道路局環境安全・防災課リリース(2020.3.30)
https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi09_hh_000060.html
まちなかの徒歩圏の範囲を対象に、官民の公共空間を一体的に捉え、ウォーカブルな空間へと総合的に取り組むことの重要性を背景とし、ストリートデザインのポイントとなる考え方を様々な例示とともに示したもの。 今後とも適時、適切に見直しを行っていくものとされている。また本ガイドラインは警察庁交通局と調整済みであるとの技術的助言が付されている。
4-3 今後の市街地整備のあり方に関する検討会(2019.9〜)
社会・経済情勢の変化や価値観・ライフスタイルの多様化を踏まえた、これからの目指すべき市街地のあり方、今日的な都市政策上の課題に対応した市街地整備のあり方等について検討するため設置された。
(座長:岸井隆幸、事務局:国交省都市局市街地整備課)
https://www.mlit.go.jp/toshi/city/sigaiti/toshi_urbanmainte_tk_000071.html
○とりまとめ|市街地整備2.0『「空間」・「機能」確保のための開発』から『「価値」・「持続性」を高める複合的更新』へ
https://www.mlit.go.jp/toshi/city/sigaiti/content/001334515.pdf
国交省都市局市街地整備課リリース(2020.3.24)
https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi08_hh_000051.html
今後の市街地整備の進め方は、行政が中心となって公共空間確保・宅地の整形化・建物の不燃共同化を大規模に志向した開発から、公民連携でビジョンを共有し、多様な手法・取組を組み合わせて、エリアの価値と持続税可能性を高める更新へと転換を図る必要があること等が示された。
他のスピンオフではガイドラインやツールが示されたのに対し、市街地整備検討会では、時代の変化に応じた運用を心がけるような理念的整理が中心。
(5)まちなかの居心地の良さを測る指標
懇談会の提言において「まちなかのアイレベル・グランドレベルにおける歩きやすさ、滞在しやすさなどを測る客観的指標の開発に着手すべき」とされた。これを受け、島原万丈氏、小﨑美希氏の助言をもとに、まちなかの状況を歩きながら簡易に現状把握し、改善点を発掘するツールが作成された。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001336041.pdf
国交省都市局まちづくり推進課リリース(2020.3.30)
https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi05_hh_000283.html
(6)都市再生特別措置法等の一部を改正する法律施行(2020.9.7)
施行に合わせ、国交相HPに、法律・政省令・施行通知、税制ガイドライン、支援策資料集等をまとめ、相談窓口も明記したページが作成されている。
https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_machi_tk_000072.html
ウォーカブルの本質を見失わずに、制度もうまく使っていきたいですね!
以降のウォーカブルへの流れはこの懇談会が大きなポイント。懇談会の委員だけでなく、毎回ゲスト委員が入れ替わる仕組みになっており、その多種多様な顔ぶれと、各回ごとのプレゼン資料も面白い。